お題箱小説! 「おまいりにいくひ」
こんにちは、猫手水晶です。
今回は、お題箱より、着物を着た柴犬とキツネとイタチが登場する小説、「おまいりにいくひ」を描きました!
リクエストありがとうございます!
おまいりにいくひ
僕は障子の窓から差し込む光の下で目を覚ました。
僕は柴犬のマメキチだワン。
僕が住んでいる村は里山の中にあり、上の方に登ると棚田や段々畑が広がっていて、下りの方向に歩くと小さな店が連なっている。
棚田と段々畑は山の斜面に合うように階段状に段々になっており、自然と共存する畑や田んぼはとても美しいんだワン!
村は小さいながらも活気があり、夜には小さな店の通りにぽつりぽつりと少ない数ではあるものの、石で作られた灯篭があり、夜の通りを照らしている。
店ではなじみの常連さんと店員さんがいつも楽しそうに話しているんだワン!。
僕はいつも村の神社である、狐山神社という神社に、いつもお参りに行くことにしている。
僕は身支度と朝ごはんを済ませ、外に出た。
僕が住んでいる村は里山になっており、この村のてっぺんには狐山神社という神社があるのだ。
その神社ではお祈りすると元気になるという言い伝えがあり、自分もよく元気をもらっている。
だけどおまじないが効きすぎるとお腹が気持ちよくなっておならばかり出てしまってはずかしいので、気をつけなければいけないワン!
僕が村の中を歩いていると、他の動物の声が聞こえてきた。
「待ってー!僕も一緒に行くから!」
彼はイタチのヨタロウだ。
イタチは神社にいるキツネの弟子として変身術の修行をさせてもらっているが、彼は化けるのが下手で、煙のかわりにオナラが出てしまう。
でも、彼は努力家であり、うまくできなくてもあきらめる事がなく、彼の行動から学びを得る事もよくあった。
歩いているうちに、村の中に小さな竹林があり、鳥居が見えた。
「よーし!着いたよ!」
僕がそう言うと、神主のキツネがやってきた。
「あ!コンスケさんこんにちは!」
ヨタロウはそう言って、キツネのコンスケさんに駆け寄った。
「ヨタロウくんは今日も元気だね!じゃあ今日も頑張ろうか!」
「それはいいけどオナラはやめてね...。」
僕はヨタロウにそう言ったワン!
コンスケさんもヨタロウもよくオナラをするのだが、ヨタロウのオナラはコンスケさんのよりも臭いワン!
しかも自分は鼻が利くので、臭いにおいが苦手なんだワン...。
僕はそう言って、神社のお社に野菜を供えて、手を合わせた。
お祈りをすると元気がわいてきてその後にすがすがしい気持ちになった。
この神社でお祈りをするとリフレッシュができてすごくいいんだワン!
僕が踵を返すと、お社の前でヨタロウとコンスケさんは変身術の修行をしていた。
忍者がする手の形、印を結ぶ手の形を動物なりにアレンジしたように手を組み、頭には葉っぱが乗っている。
今日も頑張っててえらいワン!
そう思って二人に近づくと、大きくプゥー!と音がなった。
コンスケさんは僕に化けたが、ヨタロウは赤面して、顔を隠していた。
とても強い臭いで、僕はまいってしまった。
僕が目を覚ますと、布団に横たわる僕の横には大福の乗った皿があって、コンスケさんは縁側で僕の看病をした後、ヨタロウに大福をごちそうしながら彼をなぐさめていた。
「マメキチは気絶しちゃっただけだから大丈夫、もうすぐ目を覚ますよ。それに変身する前に出る煙の量も増えてたし、上達してるよ!」
ヨタロウは「うわーん!」と言って泣いてしまっていた。
「本当にごめん!気をつけるよ...。」
ヨタロウは僕が起きたのに気付くと、すぐにそう言って謝った。
「ヨタロウは何度失敗してもあきらめない、つよいイタチだワン!」
僕はそう言った。
「本当にありがとう~!これからもがんばるよー!」
ヨタロウは涙目で言った。
僕達は縁側で庭園をながめながら、ゆっくり談笑しながら大福を食べていた。
今日もいい一日になりそうだワン!
完
読んでくださり、ありがとうございました!
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