CREATED WORLD (17)
こんにちは、猫手水晶です。
今回は、小説「CREATED WORLD」の第17回です。
以下が本文です。
CREATED WORLD
第2話 同盟国会議
しかし、銃で撃たれてしまい、逃げ続けようとするも力及ばず、倒れ込んでしまった。
「通信機ですか・・・。」
通信機を忍ばせていることがばれてしまった。
なぜなら、ロスクムの動きは以前から怪しく、あえてミサが遠征している時を選んで同盟国会議を開いたという点において、嫌な予感がしたので、ここからコルートまで、会議が終わるまでの一定時間、通信をできるようにしたのだ。
だが、使っていた通信機も、一回きりしか使えず、制限時間以内しか使えない使い捨てで、資源を多く使う。
効率化の点で、まだ研究は続いているのだ。
「最後に、この通信機の向こうの相手に、言い残す事はありますか?」
ジカルクは左手に通信機、右手に銃を持って言った。
銃弾を多くくらってしまった私の体は動けず、抵抗もとれそうになかった。
「リーシャ・・・私は君の事を愛していたよ・・・。」
鈍い音が鳴り響き、私は現実世界が見えなくなり、その代わりに、リーシャとの思い出の風景が見えた。
そして、私は眠りに落ちた。
第3話 出発
私は、「人工の新天地」の国、コルートから200キロ程離れた工場だらけの場所で、工場が何層にも重なってできた大地に車を走らせていた。
「人工の新天地」は、自ら空間を生成し、快適な空間や、生産するものに適した環境を作る事ができるので、そういう目的で作られていない空間は、工業の建物ばかりだ。
地下深くの層に木材生産の為、人工的に作られた森林もあるのだが、今となっては木材が貴重なものとなっており、各国の私有地とされている空間に、警備や、軍備をおいた上で厳重に管理されている。
なぜ空間を作り出せるのに木材が不足しているのかというと、一時的に木材が育つのに適した環境を作れたとしても、空気の循環ができなくなってしまうのだ。
木々は光合成を行う事で、二酸化炭素を酸素に変えている。
同時に、木々は二酸化炭素を使って養分を作り出して生きている。
植物は二酸化炭素がないと生きていけなく、そのためには、酸素を二酸化炭素に変えること、呼吸をする事ができる、動物となる生き物を一定数以上同じ空間に飼育する事が必要になる。
環境汚染により、数を減らしてしまった生き物を探し、「人工の新天地」に送るのは、非常に困難だ。
植物は暗くなった夜間に呼吸を行う事ができるが、植物だけでは追いつかないのだ。
なので、非常に高いコストが要求され、森林の生成に失敗してしまった時に失うものがとてつもなく大きい。
だから、各国の首相は、地下の森林は、厳重に管理するよう心がけているのだ。
ゆえに木製の物をもっているのは富の象徴にもなった。
私は木製の物を使って、自分が裕福であることを自慢するのではなく、遙か昔のアケラのように、木々が地上に生えていて人々や生き物と共にある世界になって欲しいと思う。
読んでくださり、ありがとうございました。
よければこれからも応援してくれると嬉しいです。
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