CREATED WORLD (16)

  こんにちは、猫手水晶です。

 今回は、小説「CREATED WORLD」の第16回です。

 以下が本文です。


CREATED WORLD

第2話 同盟国会議

 「ですが我々はその研究に問題点を見つけたのです。」

 彼は何を言いたいんだ?

 この研究は善意によって行われているものであり、安全面にも対処されるよう、最善を尽くしている。

 「この前我々が調査を行った結果、研究に使われている、通信用の試験装置に異常がみられた。詳しくは、通信装置が改造され、内部に規定を遙かに超える強度の、空間を歪ませる装置が内蔵されているのが判明した。よって、コルートは組織的に我々の世界の空間を歪ませ、ロボットの暴走や、伝染病の拡大をさせているのです!」

 会場はざわついた。

 どうすればよいのだ・・・。どう答えればよいのだ・・・。

 そんな疑問が頭の中でいっぱいになった。

 そんな事はないと信じてはいるのだが、我々の国、コルートよりも技術が進歩しているロスクムの方が、よっぽど説得力があるのだ。

 ロスクムの首相、ジカルクは無言で後ろを向き、その後に軍隊が後ろからかけつけてきた。

 ロスクムは強大な軍事力を持っていて、ロスクムと対立すると自国の国民すら危険に晒してしまうかもしれないという思いなのだろうか、誰も私を守ってくれる者はいなかった。

 最初からそのつもりだったのだ。

 私を何も答えられなくして、その後に悪影響を与えている国の政治家として、ここで私の命を奪おうとしているのだ。

 そんな事は絶対に起こしてはいけない。

 私には心に決めた人がいるのだ。

 こんな所で命を落としてしまったら、彼女に会わせる顔がない。いや、会う事すら叶わなくなってしまうのだ。

 軍隊は私に向かって走りかかってきた。

 私は必死に逃げ続けた。


 読んでくださり、ありがとうございました。

 よければこれからも応援してくれると嬉しいです。

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