CREATED WORLD (15)
こんにちは、猫手水晶です。
今回は、小説「CREATED WORLD」の第15回です。
以下が本文です。
CREATED WORLD
第一話「光の革命」
ヘリの運転をしている仲間が慌てた様子で、「これは何だ?」と言っていたが、俺は「一旦落ち着いて話を聞こう。」と言って、落ち着かせた。
「こんにちは、先程はとても楽しかったです。また会えるといいですね、では。」
そう言って、連絡の為の通信は元に戻った。
運転手は不思議そうな顔をして、「さっきのって誰だったんだろうな。」と聞いてきた。
「さあ?素顔は知らないが、少なくとも、俺が研究所を爆破した犯人だって事は知ってるんだろうな。」
俺は倒壊していく研究所だったものを見つめながら言った。
「ふぅん・・・。まぁ、考えていても不安になるだけだ。今はアジトに帰って、ゲガスの無事をみんなで祝おうぜ!」
「それもそうだな。」
俺はそう言いながらも、いまだに疑問を感じていた。
もし彼がすべてを知っていたのなら、時間の流れが元に戻った瞬間、ロボットを立ち止まらせる必要などなく、ヘリに乗り込もうとする俺を追い、はしごで一撃をくらわせることもできたのに、それをしなかった。
その人物はまるで傍観者のようだった。
「今日の事は、俺達が初めて世界に影響力を与え、実験台にされてようとしていた人々も救った、まるで俺達が光を灯したようにな。そこで、俺はいい名前を思いついたんだ!『光の革命』なんて名前をつけないか?」
運転手に俺の不安を悟られたのか、安心させるように運転手はそう言った。
「いい名前だ。そうしよう。」
そう言いながらも、もやもやは残り続けるままだった。
第二話 同盟国会議
光の革命から200年後、「人工の新天地」の都市、ロスクムでは、同盟国どうしでの会議が行われていた。コルートの首相の、ミサは遠征中で欠席している為、私、ドリスが彼女の代理として出席している。
「これから、同盟国会議を行います。」
各国の首相が、机で、四角い空間を囲っている、想像のしやすい会議の光景だが、その場には緊張感が漂っているのがわかった。
「まず、これから話す概要からです、この世界に住めるかどうかの実験で、この世界に被検体のロボットを送りました。しかし、今、そのロボットが制御不能になり、人間に対して攻撃的な行動をとるようになってしまいました。また、何回も実験したのにも関わらず、この『人工の新天地』では、原因不明の病が流行ってしまっている現状があります。今日はこの2つの課題に対してどう対処していくのかを話し合っていこうと思います。」
「病気というのは、『時の狭間』という空間が原因だといわれている、病気の事ですね。」
一人の首相が続けた。
「はい、そうです。症状としては、痛みや苦しみが一切なく、突如患者を猛烈な眠気が襲い、眠るように命を落としてしまう、『静かな病』とも呼ばれている、恐ろしい病気です。」
「あの、いいですか。」
ロスクムの首相、ジカルクがそう言った。
「今、コルートでは、通信技術に力を入れており時の狭間の先の場所とでも、連絡し合えるような技術を現在研究しておりますね。」
「はい、そうです。時の狭間の先の世界に連絡をする事ができるようになると、わざわざ時の狭間を超えなくても良くなるからです。」
私は、そう答えた。
時の狭間とは、時間の流れの違いの差によって、歪みが生まれ、その空間の中では嵐が吹き、空間の歪みによって、地形も崖や、パイプや工場の屋根などで構成された地面がひび割れ、深い割れ目となってできたクレバスが多く存在している。
とても過酷な場所だ。
また、その空間の中にいすぎると、先程も説明していた「静かな病」にかかってしまう為、その空間を通らずに、遠隔で、連絡しあえると、時の狭間の先の場所と連絡をする時に、危険を冒さずに済むようになる。
読んでくださり、ありがとうございました。
よければこれからも応援してくれると嬉しいです。
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