CREATED WORLD (13)
こんにちは、猫手水晶です。
今回は、小説「CREATED WORLD」の第13回です。
以下が本文です。
CREATED WORLD
第一話「光の革命」
私達はついに、自由になる事ができたのだ。
私達は、野宿のできそうな場所や、泊まる事のできそうな町を探していると、研究所のある後ろの方から、轟音が鳴り響いているのが聞こえた。
研究所が爆破され、倒壊していた。
私はここから逃げ切る事ができなかった、他のクライイング職員の事を思うと、悲しくなった。
「私達は、救う事ができなかったんだね・・・。」
「私達が出来る事はした、命を落としてしまった職員の分も、私達は生きていかなければいけないと思うよ。」
「それもそうだね。まずは私達が住む場所や食べ物に困らないようにしないとね。」
「そうだな、じゃあまず今日を生き抜く為、夜を明かせる場所を探さないとな。」
私達は、砂漠化が進み、荒れ果ててしまった大地に、バスを走らせていた。
私達のスタートは、ここなのだと感じた。
俺はメンテナンス室を出て、エントランスを経由してエレベーターに向かった。
エントランスを巡回しているはずのロボットは止まっていて、妙に静かで、不気味さすら感じた。
先程鳴り響いていたやかましいアナウンスで、職員達は脱出しているだろうし、おそらく先程メンテナンス室で見た職員達で最後だろう。
今この研究所を爆破しても、犠牲者は出ないだろう。
向こう側の人間だって、階級や序列はあるだろうし、下の人間は指示に従っているだけで、それで生計を立てている者もいるだろう。
犠牲者を1人も出さずに、この研究所を爆破して、この研究所を管理している上層部の人間の状況を不利にし、この研究をやめさせたいのだ。
俺はエレベーターに乗り、85階の、研究所全体の管理をする為のコントロールルームの向こうの、配管室に向かった。
この部屋にエネルギーの元となる燃料の配管が集中している。
コントロールルームのセキュリティシステムも動いていない。
配管室に入っても、普段ならすぐ俺を見つけ、研究所全体にアナウンスするはずの監視カメラがあったが、それも動いていない。
俺は怖く思って、すぐ終わらせようと、時限爆弾を設置し、その場を離れようとする。
すると、背後に、気配を感じた。
振り返ると、さっきはいなかったはずの1体のロボットが、こちらを見ていた。
嫌な予感が的中し、絶望した。
ロボットは刀の腕をもち、胴体も空気抵抗を最小限に抑えるような形状をしていた。
読んでくださり、ありがとうございました。
よければこれからも応援してくれると嬉しいです。
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