投稿

5月, 2022の投稿を表示しています

CREATED WORLD (20)

イメージ
 こんにちは、猫手水晶です。  今回は、小説「CREATED WORLD」の第20回です。  以下が本文です。 CREATED WORLD 第3話 出発  私はただひたすら歩き続けていた。  ミサが謎の集団に捕まってからどれほど経ったのだろうか。  早く、ミサが乗せられた車の向かった方向に向かわなければ。  ミサを助けなければ。  激しい空腹感と、工場の大地が吐く汚いガスの影響で、気分は最悪だった。  だけど、私はあきらめない!  うつろにふらふら歩きながらも、私はずっとそんな事を考えていた。  すると、急に前が見えなくなった。  これは工場の屋根なのかな?さっきまでこの上を歩いていたのに、今はそれが目の前にある。  私はよくわからなくなった。  「おっ起きたかーっ、オレはイリーアっつー女だ、よろしくなーっ。」  私が目を覚ますと、一人の女性が私に声をかけていた。  言葉遣いと「オレ」という一人称とは裏腹に、小柄でジト目であり、髪は黒だが毛先が紫に染まっている。 声が高く、けだるい感じでゆっくりと話しているが、少し威圧感もある、不思議だが、かわいらしい女性だった。  彼女と自分と同じ、白と黒の縞模様の服を着ていた。  周りを見渡すと閉鎖的な壁に囲まれていて、正面には通路があったが、鉄格子が私の行く手を阻むように立ち塞がっていた。  後ろを向くと少し少し見上げる位の位置に小さな鉄格子の窓があり、その下には小さな机といすがあり、向かいにある2つのベッドの間に挟まるような形で置いてあった。  そうか、私は捕まり、その後眠らされてここに囚われてしまったのか。  私は今こうして彼女と同じ服を着ているし、この空間に存在しているという事実がただ、いまここに存在しているのだから。  小さな鉄格子の窓からは、太陽の代わりに灯された人工の明かりの色が、薄い黄色からオレンジ色に変わっていった。  今は夕方なのだとわかった。  読んでくださり、ありがとうございました。  よければこれからも応援してくれると嬉しいです。

お題箱小説! 「おまいりにいくひ」

イメージ
 こんにちは、猫手水晶です。  今回は、お題箱より、着物を着た柴犬とキツネとイタチが登場する小説、「おまいりにいくひ」を描きました!  リクエストありがとうございます! おまいりにいくひ  僕は障子の窓から差し込む光の下で目を覚ました。  僕は柴犬のマメキチだワン。  僕が住んでいる村は里山の中にあり、上の方に登ると棚田や段々畑が広がっていて、下りの方向に歩くと小さな店が連なっている。  棚田と段々畑は山の斜面に合うように階段状に段々になっており、自然と共存する畑や田んぼはとても美しいんだワン!  村は小さいながらも活気があり、夜には小さな店の通りにぽつりぽつりと少ない数ではあるものの、石で作られた灯篭があり、夜の通りを照らしている。  店ではなじみの常連さんと店員さんがいつも楽しそうに話しているんだワン!。  僕はいつも村の神社である、狐山神社という神社に、いつもお参りに行くことにしている。  僕は身支度と朝ごはんを済ませ、外に出た。  僕が住んでいる村は里山になっており、この村のてっぺんには狐山神社という神社があるのだ。  その神社ではお祈りすると元気になるという言い伝えがあり、自分もよく元気をもらっている。  だけどおまじないが効きすぎるとお腹が気持ちよくなっておならばかり出てしまってはずかしいので、気をつけなければいけないワン!  僕が村の中を歩いていると、他の動物の声が聞こえてきた。  「待ってー!僕も一緒に行くから!」  彼はイタチのヨタロウだ。  イタチは神社にいるキツネの弟子として変身術の修行をさせてもらっているが、彼は化けるのが下手で、煙のかわりにオナラが出てしまう。  でも、彼は努力家であり、うまくできなくてもあきらめる事がなく、彼の行動から学びを得る事もよくあった。  歩いているうちに、村の中に小さな竹林があり、鳥居が見えた。  「よーし!着いたよ!」  僕がそう言うと、神主のキツネがやってきた。  「あ!コンスケさんこんにちは!」  ヨタロウはそう言って、キツネのコンスケさんに駆け寄った。  「ヨタロウくんは今日も元気だね!じゃあ今日も頑張ろうか!」  「それはいいけどオナラはやめてね...。」  僕はヨタロウにそう言ったワン!  コンスケさんもヨタロウもよくオナラをするのだが、ヨタロウのオナラはコンスケさんのよりも臭いワン!  しかも自分は